大雨のニュースで、久しぶりに宮崎で生まれ育った頃を思い出した。
その頃は、日本列島に台風が上陸すると、必ず宮崎を通過した。
台風銀座とか新聞に載った「字」を覚えている。
一晩中大雨と大風に脅かされ、6人の小さな子供達は母を囲み、
おじいよー(怖いよー)おじいよーと云って母にしがみついた。
その頃母は35歳。「大ジョブ大ジョブ。おじい事ないよ。家が倒れる
筈が無いもん。」と、ぎいこぎいこ音を立てて揺れる家の真ん中に座り
子供達を両腕で抱いたままそう云った。私たちは台風が通り過ぎる迄、
朝迄寝ないで只ひたすら台風が通り過ぎるのを待ってたものだった。
35歳で6人の子供! そのうえ父は戦争に行ったきり生死さえ不明。
私は35歳で何をしていただろうか!?
それを考えるだけで、どれほどすごくて偉大な母であったかと、、、。
母は台風の晩、女一人でどれほど心細かったか、本当に大声出して泣き
たかったかもしれない。それをしなかった、それが出来なかったのは
しっかりと子供達を育てて、戦地から帰る夫に見てもらわなくちゃ。と
それのみだったに違いない。
その思いむなしく、父は日本の地を踏む事はなかった、、。
今回の大雨で、私たちが小さかった頃の母を思い出して涙が止まらない。
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